エピクロスΕπίκουρος 紀元前341年-紀元前270年)は古代ギリシャの哲学者。

エピクロス派の始祖です。

今では エピキュリアン=快楽主義者という意味に転化していますが、エピクロス自身は精神的快楽を重視していたといい、肉体的な快楽を追い求める放埒な印象は大きな誤解

彼はひとの欲求3つに分けていました。

ひとの欲求

  • 自然で必要な欲求 (友情、健康、食事、衣服や住居)
  • 自然ではあるけれど不必要な欲求 (大邸宅、豪華な食事、贅沢な生活)
  • 自然でもなく必要でもない欲求 (名声、権力) 

上記のうち、1の自然で必要な欲求だけを追求し、苦痛や恐怖から自由な生活を送ることが良いと主張して、そうした生活で得られる平静心(アタラクシア)を追求することが善だと規定していました。

その理想を実現するため「庭園」とよばれる共同生活と学園を合わせた場を作り、自足的生活をしていたとか。

これって、今どきのムーブメントでも見られますね。

シェアハウスが人気を得ていたり、2,3にあたる欲求が薄く(諦めもあるのかも) シンプルな暮らしを作りあげ、大きく膨らんでしまったごった煮の社会から離脱していく生き方を志向しています。

そのスタイルは まさにエピキュリアン・ライフ

エピキュリアン 3つの条件

エピクロス派にとって アクラクシア(平安な心の境地)への条件は

  1. 死の恐怖を取り除くこと
  2. 最小限の欲望を満たすこと

これは 飢えない、渇かない、寒くないことの3つです…

3.友情を大切にすること 

ストイック(同時代のストア派のスタイル)という禁欲的な在り方よりも、どこか 牧歌的 穏やかなイメージがしてきます。

自給自足で農業を始めたり、Iターンで地方村に移住するなどの大人も非常に増えていると聞く昨今。

断捨離も、近似値的な発想です。

まるで当時の人々が転生してきているよう…にも思え、2千年もの時を経て、時代は巡る… そんな印象さえしてきますね。

時代に合わせ、進化したエピキュリアンたちに 学ぶこともありそう。

所有の観念

最後に 古代神秘哲学により 伝えられていることを一つご紹介しましょう。

それは所有の観念についてです。

物質世界のすべてが存在するのは、エネルギーが源になっており、そのエネルギーは宇宙由来のもの。つまり全ては 宇宙の創造物です。

とするならば、本質的に人間には この世界にあるものを所有する権利はありません。

つまり私たちは、土地や動物など、いかなる存在物にも強制的な力を及ぼすことはできないのだといいます。

何故なら、物質として過去に存在したものも、これから存在するものも、すべては あらゆる人びと、生き物の財産であるから、それらは人類が集団として宇宙から受け取った財産だと伝えているのです。

例えば、人間が作った法律により、私たちは様々なものを所有する権利を持っています。

法的に家を所有することができますね。

でも哲学的に考えると、実際のところ 家は様々な物質の集合体で 、それら物質の源は自然界

レンガや砂、樹木等の要素は大地から得られたものですが、誰かが自然界お金を払ったのでしょうか。

いいえ。

誰も払っていません。

エネルギーから何かを買う事は不可能だからです。

私たちは、ただそれを自分の所有物である勝手に決めることができるだけです。

所有という観念を作ったのは人間であり、自然界はいかなるものも人間に売った事はありません。

自然は ただ 与えるのみ

人類は宇宙から恩恵を受けていて、大きな借りがあります。

ピタゴラスが このテーマについて述べた言葉を引用し、締め括りましょう。

「私のアイデアは神が私に与えたものである。

それゆえ、その権利は神に属する。

神は宇宙の法則の理解や様々なアイデアを私に授けてくれた。

したがって それらは私に属するものではない。

ゆえに 私は知識と様々なアイデアを他の人に譲り

他の人が使えるようにする。

神からの贈り物として 他の人が恩恵を受けられるようにする。」

璃子 Riko, C

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