
多くの人が「宇宙意識」や「前世」について、スピリチュアルな直感に頼りがちですが、CTMUのような哲学的かつ論理的なフレームで捉え直すことで、より地に足のついた視点が得られるように思われます。
単回セッションや、数回にわたるレッスンでも、いまでは時折、こうした概念に触れることがあります。
それほど、アウェアネスIns.で出会う人々の認識力、洞察力が高まっていることを感じています。
最近もクライアントの方との対話の中で、「自分も合点がいきます!」と同調する感想を述べてくださいましたので、皆さんにもぜひ考察いただこうと思います。
CTMU(Cognitive-Theoretic Model of the Universe)は、アメリカの哲学者・論理学者であるクリストファー・マイケル・ランガン(Christopher Michael Langan)によって提唱された非常に独自で抽象的な理論です。

彼は「IQ200の男」として知られ、宇宙の本質、意識、存在、論理の関係についての独自の哲学的・形而上学的視点を提供しています。
CTMUの概要
CTMUは、簡単に言えば「宇宙そのものが自己を認識し、自己を記述・構築する自己言及的な構造を持った情報論的・論理的システムである」とする理論です。
彼の主張によると、宇宙は「心」と「物理的世界」を分けることなく統一的に扱う必要があり、現実は心的(認知的)かつ形式的(論理的)構造でできているというものです。
宇宙意識とは?CTMU的「意識と宇宙」の話
最近、「宇宙意識につながる」「前世の記憶を思い出す」といった話題をよく耳にしますよね。
でも、そういった言葉がちょっとフワッとしていて、「それって本当に何なの?」と感じる方も多いのではないでしょうか?
今回は少しだけ深く、そして新しい視点をもって考えてみましょう。
実は私も長年、「宇宙とは何か」「私たちはなぜここにいるのか」を考え続けてきたひとりです。
そして最近、ある理論に出会いました。
それがCTMU(Cognitive-Theoretic Model of the Universe)という考え方です。
日本語に訳すと… 直訳すると「認知理論的宇宙モデル」です。
ちょっとお堅くて冷たい印象で、ここで引いてしまう人もいるかも知れません。
スピリチュアル的に親しみ易しく言い換えると、「宇宙と心の統一モデル」あるいは「宇宙意識モデル」でも良いかも。
CTMUとは、「宇宙そのものが“意識のようなもの”を持ち、自己を認識し、自己を作り出している」という、論理的に構成された理論なんです。
この考え方では「意識」と「宇宙」は別々のものでなく、まったく同じもの。
ただし異なる側面とされます。
まるで表と裏、上と下、右と左から、ひとつの物を見ているようにね。
☕ 日常に落とし込んでみる
たとえば、あなたが朝起きて、コーヒーを飲んでいるとします。
ふと、「今日はなんとなく嫌な予感がするな」と感じたり、逆に「この瞬間、生きてるって素晴らしい」と思うこと、ありませんか?
このとき、「あなたの意識」が何かを感じているのと同時に、宇宙全体の情報構造が、あなたを通して“自己を感じている”としたら、どうでしょう。
つまりあなたは「宇宙の目」です。
この考え方に立つと、宇宙が“ただの物質”の集合ではなく、意味を持った情報体であり、意識と直結しているという見方ができます。
前世とは、意識の「再構成」かもしれない
従来の「前世」観では、魂が肉体から離れて転生するというイメージが強いですが、CTMU的な観点に立つと、もう少し情報論的に説明ができます。
宇宙が自己を「再構成」する過程で、似たような意識のパターンが別の形で現れる。
それは、単に「昔の自分が別の人生を送っていた」という前世の実話ではなく、宇宙が同じ“意味”や“パターン”を別のコンテクスト(文脈や歴史背景)で再生している、という感じです。
だから、ある場所に行って「懐かしい」と感じる、ある人に「初めて会った気がしない」と思う…。
それは前世という事実があった訳でなくて、「宇宙の情報パターンがあなたの意識の中で再共鳴している」だけかもしれません。
だからと言って、前世療法は無意味なの?というと、そうではありません。
深層心理学として筋の通った理論があり、きちんとおこなえば 機能するものです。
もちろん、前世で自分はどんな人物だったの?という、ファンタジー的な物語を期待している人には、ちょっとガッカリしそうな事実です。
しかし現実に、いまの意識に影響している、好ましくない共鳴情報を変える効果は、依然として高く、何かの問題に気づいた分だけ、俯瞰した悟りに近づいていくのです。
あなたの意識は、宇宙の一部
CTMUは、まだ一般にはあまり知られていませんし、抽象的で難しいところもあります。
でも私はこの理論にふれて、「意識とは単なる脳の活動ではなく、宇宙全体の“自己記述的なパズル”の一部なのだ」と感じてきたことと合致していて、やはり!と思ったのでした。
「宇宙とつながる」という言葉が、よく分からないままに使い古され、今では”手垢がついた”感さえする 単なるスピリチュアルではなく、理性と直観を橋渡しする“確かな可能性”として見えてくるのです。
私たちひとりひとりが、宇宙の目であり、耳であり、心です。
だからこそ、意識的に生きること。
つまり、理性と直観の双方でなら、宇宙全体を調和させることにもつながっていくのだと思います。
🔗 次回は「時間と未来の自己決定」について、CTMUを使って考えてみます。

璃子 Riko Claire
アウェアネス・インスティテュート
Awareness Institute
ヒプノとサイキック
レッスン / セッション
米国催眠士協会・米国催眠療法士協会
認定トレーナー